この研究でやったこと
夏休みの宿題を、紙のまま自分で管理するのをやめて、ぜんぶAIに読み取らせてデータにし、毎日やることをAIに決めてもらうことにしました。その仕組みを実際に作り、夏休みのあいだ本当に使ってみた記録が、この自由研究です。
子どもにとって いちばん難しかったこと
夏休みの宿題は、種類が多く、締切もそろっていません。小学2年生にとって、いちばん難しいのは問題を解くことではなく、「今日はどれを、どれだけやればいいのか」を決めることでした。そこでこの研究では、「やる内容」ではなく「やる順番と量の判断」をAIにまかせると決めました。宿題そのものは紙で本人が解きます。AIは、迷って手が止まる時間をなくす係です。
この研究で決めた大事なルール
- 答えはAIに書かせない。AIがするのは、計画づくり・記録・見える化・まるつけの手伝いまで。作文や日記の代筆はさせません。
- 紙が正本。宿題は今までどおり紙に書いて提出します。この仕組みは紙の宿題を置きかえるものではなく、進め方を助ける道具です。
- やった/やってないをごまかせないようにする。終わったページは写真でAIに見せて、まるつけを受けてから「完了」にします。
調べたかったこと
「AIに計画を立ててもらうと、夏休みの宿題は最後にたまらずに終わるのか」。これが研究の問いです。あわせて、AIが自分の勉強の道具になるのかどうかを、実際に使いながら確かめました。
グリム
おっと 8/11まで しゅくだいは てを つけて いなかったよ
なぜAIで宿題管理をしたのか(保護者より)
わが家では、夏休みの前半を「体力づくりの期間」と決め、宿題より先に、徹底的に外で遊んで夏を満喫させました。午後は1時から5時まで公園へ。そして後半は、この仕組みで宿題を計画的に一気に進めながら、9月からの学習意欲を高めていきます。
もうひとつの背景は、育児と教育費の問題です。教育費が高騰するなか、わが家には2歳の赤ちゃんもおり、塾に通わせることは現実的ではありません。そこで、自主学習の力と学習能力そのものを伸ばす機会として、AIを使った学習管理に取り組みました。
この研究は、「塾に行けない子どもも、AIの活用で学力を伸ばせるのではないか」という試みです。
学習ログ(グラフ)
この仕組みは、1マス終わるたびに記録を残します。日記の中身や答案そのものは公開できませんが、数だけを取り出したグラフなら出せます。ここからは、実際の学習ログから作ったグラフです。
110終わったマス(全110マス=100%)
- 36AIが見つけたまちがい(のべ)
- 45学習期間(7/18〜8/31)
- 4おやすみにした日
① 進み具合の推移(累積・110マス)
たての棒は、その日までに終わったマスの合計です。8月11日の時点ではまだ0マス。そこからつみ上げていって、8月26日に110マス=100%になりました。
いちばん上の線=110マス(ゴール)
※ 棒の上の数字は「その日までの合計マス数」です。記録のある日だけを並べています。8月13日に大きくのびているのは、前半に外遊びを優先してためていた分を、まとめて進めた日だからです。提出日の9月1日より前に、8月26日でゴールしました。
② 教科べつの 終わったマス数
合計110マス。棒の長さは、いちばん多い「生活」(49マス)を100%としたときの割合です。「生活」が多いのは、毎日のにっきが45日分=45マスあるためです。
宿題の内わけ(110マスの中みは4種類)
- 46ドリル 国語・算数(単元)
- 8読書(さつ)
- 45にっき(日)
- 11その他(項目)
③ 算数の正解率(この研究のいちばんの成果)
終わったページを写真でAIに見せると、まるつけの結果として正解率が数字で残ります。いちばん大きく変わったのが、ひき算のひっ算(くり下がり)でした。
※ 棒の長さは正解率です。問題の中身や答案そのものは載せていません。
この変化にかかったのは4日間(8月18日〜8月22日)です。
AIが見つけて、おうちの人が教えて、本人が直した
20%が100%になったのは、AIがまるつけをしたからではありません。AIが「どこでつまずいているか」を見つけて大人にわたし、その日のうちに教え直しをして、本人がやり直した——この3つがつながったからです。その4日間の記録です。
- 8月18日 AIが見つけた 10問中8問が「同じまちがい方」だった ひき算のひっ算で、まちがえ方がぴったり一致していました。AIはこれを、うっかりミスではなくやり方そのものの勘ちがいだと判定しました。一のくらいがひけないときに、大きい方から小さい方をひいてしまう、というまちがい方です。
- AIの分析 「十のくらいから1かりる」の1点だけが抜けていた くり下がりの要らない問題は正解、位をそろえて書く形もできている。そこからAIは、つまずいているのは1か所だけだと原因をしぼりこみました。
- 同じ日 保護者が教え直した 手順を一緒に確認して、ドリルに書き込んだ AIの指摘を受けて、その日のうちに手順を一緒に確認。ドリルのポイント欄に「14−9=5」「4−3=1」と、やり方の手順そのものを書き込みました。
- 8月19日 本人がやり直した 自力で正しい答えに直せた 42−27を、自分で25に直せました(前の日は15と書いていました)。答えを教わったのではなく、やり方が分かったから直せたということです。
- 8月20日〜22日 身についた まとめテストで全問正解(100点) くり上がりのたし算も、2段階の文章題も、自力で正しく直せるようになりました。そして8月22日、力をたしかめるテストで全問正解になりました。
ほかに直せたところ
- くり上がりのたし算8/18 まちがい→8/20 やり直して正解
- 2段階の文章題8/19 まちがい→8/20 正解
夏休み全体で、AIが見つけたまちがいはのべ36件。そのうちの多くは、本人が「できたつもり」で気づいていなかったものです。
この研究で分かったのは、AIの役目は答えを教えることではないということでした。AIはつまずいている場所を見つけて大人にわたす係で、教えるのは人、直すのは本人です。この分担にしたことで、20%が4日間で100%になりました。
AIが読み取った 夏休みの宿題ぜんぶ(16項目)
最初にやったのは、机の上に積み上がった紙の宿題を全部スキャンして、AIに読ませることです。スキャン79枚をAIが読み取り、下の16項目のデータに整理しました(手入力はしていません)。ここが研究の出発点で、Before=紙の山、After=この一覧です。
16課題の項目
- 79読み取った紙
- 110細かく分けたマス
- 約25想定の学習時間(合計)
- 国語パーフェクトなつ こくご「1年のふくしゅう」
- 国語パーフェクトなつ こくご 2年の もんだい
- 算数パーフェクトなつ さんすう「1年のふくしゅう」
- 算数パーフェクトなつ さんすう 2年の もんだい
- その他パーフェクトなつ 丸つけ・まちがい直し(おうちの人と)
- 国語しきなみ子供短歌 1首(応募用紙に清書)
- その他自由研究「AIで宿題を全部管理してみた」=この研究
- 生活ミニトマト新聞(トマトカード)
- 国語読書8さつ+読書の記ろく
- 国語読書かんそう文の本えらび(下書きシート)
- 国語eライブラリー こくご(オンライン教材)
- 算数eライブラリー さん数(オンライン教材)
- 生活わくわくなつやすみ 計画ページ
- 生活わくわくなつやすみ 毎日の生活きろく・にっき
- 図工わくわくなつやすみ「なつやすみのおもいで」の絵
- 生活夏みつけカード(夏休み大はっけん+生きもの大はっけん)
学校の提出日は9月1日で、短歌だけ校内締切が9月9日です。8月13日・8月30日と書いてあるものは、学校の締切ではなくこの仕組みが自分で決めた前倒しの目標日です。
※ この一覧は課題の名前と分量だけを載せています。書き込みのある宿題の写真・進み具合・日記の中身は、このページには一切載せていません。
しくみの図
紙の宿題が、どうやって「今日やること」に変わるのかの流れです。上から下へ進みます。
▼ スキャン79枚を読みこませる
▼
毎日その場で計算しなおす(1日の上限時間も守る)
▼ 「今日やるページ」だけを画面に出す
▼ 終わったページを写真でとる
▼
復習を出す
ステージが増える
▲ ⑥の復習は②の宿題データに戻って、また計画に入る
ぐるぐる回るのがポイント:やる → 写真 → まるつけ → 苦手を復習に足す → 計画が作りなおされる。だからさぼった翌日は自動でノルマが増え、進んだ日は軽くなります。計画表を書きなおす必要がありません。
AIの役割は4つ
- 1. データ化するスキャンした宿題79枚を読み取り、16課題・110マスの一覧に自動でまとめました。人が打ちこんだ数字はゼロです。「紙を読む」ところからAIにやらせたのが、この研究のいちばん最初の実験でした。
- 2. 計画を毎日つくりなおす「残っている量 ÷ 締切までの残り日数」を、画面を開くたびに計算します。1日にやりすぎないよう合計時間の上限も決め、ドリルは早い日に多めに置いて後半にたまらないように前倒ししました。家族の予定でお休みにした日は、ノルマが0になります。
- 3. まるつけと苦手の分析終わったページを写真でAIに見せると、合っているかを見て、まちがえた問題を記録します。たまった苦手は復習として宿題データに足され、すごろくの盤に「復習マス」として出てきます。できなかった問題が自動で戻ってくるのがねらいです。
- 4. やる気の仕組みを一緒に考えたすごろくやゲーム解放の条件は、AIと相談しながら決めました。プログラムを書いたのはAIで、「どうすれば続けられるか」を考えたのは本人です。その相談の過程そのものも研究の記録として残してあります。
すごろく・ゲーム連動=つづける工夫
計画がどれだけ正しくても、やる気が出なければ意味がありません。小学2年生が続けられるかどうかは、正確さよりも「進んだ実感」で決まると考えました。そこで進み具合を、パーセントの数字ではなくすごろくの盤の位置で見せることにしました。
- 1マス=1つの単元。ドリル1回・本1冊・日記1日など、どの宿題でも「1つやれば1マス」に決めました。教科がちがっても同じものさしになるので、苦手な教科の日でも前に進めます。全部で110マス、ゴールは9月1日です。
- ゲームが解放されるマス:10・25・40・60・80・110マスまで進むと、ごほうびゲーム(AIに作ってもらったドラゴンのゲーム)のステージが1つずつ遊べるようになります。
- AIから応援が来るマス:5・20・35・50・70・95マスで、AIからの応援メッセージが出ます。字が読めなくても分かるように、声で読み上げるボタンも付けました。
- ズルできない作り:ゲームが解放されたかどうかの判定は、画面の中だけでなく保存する側でも確かめています。アドレスを直接打ちこんだり数字を書きかえたりしても、先には進めません。
ねらいは「ごほうびで釣る」ことではなく、がんばりと結果のつながりを目に見える形にすることです。1マスやれば必ず盤が動くので、「やってもわからない」がなくなります。
もう1つの工夫:字が読めなくても分かるようにした
使ってみて最初に困ったのは、宿題の名前だけではどのドリルのどのページを開けばいいのか分からないことでした。そこで、今日やるページの写真をそのまま画面に出し、押すと大きくなるようにしました。あわせて、宿題のヒントとその日の予定を声で読み上げる機能も付けました。使ってみて困ったところを直していくのも、この研究の一部です。
エピローグ|グリムの きろく(ふきだし にっき)
使いながら思ったことを、その日のひとことで残しました。右がわは、AI(ファブル5くん)からの返しです。
- 8月11日(研究スタート)
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グリムグリムおっと 8/11まで しゅくだいは てを つけて いなかったよ
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AIファブル5くんまかせて!のこり22日で おわる けいかくを たてたよ
- 8月16日
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グリムグリムぐんぐん しゅくだいが すすむ
- 8月21日
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グリムグリムもうすこしで かんりょう
予定
計画では、ドリル4冊が8月16日〜18日に終わり、宿題ぜんぶが8月27日に終わる見こみでした(提出は9月1日)。
- 8月16日
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AIファブル5くんドリルは 早い日に 多めに おいたよ。あと3日で 4さつ ぜんぶ おわる はず※ 予定(あとで実際のひとことに差し替え)
- 8月18日
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グリムグリムドリル4さつ ぜんぶ おわった!※ 予定(あとで実際のひとことに差し替え)
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AIファブル5くんよく がんばったね。ここから 1日の りょうが 軽くなるよ※ 予定(あとで実際のひとことに差し替え)
- 8月27日(ゴール予定)
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AIファブル5くんぜんぶ おわり!ていしゅつの 9月1日より 5日 はやいね※ 予定(あとで実際のひとことに差し替え)
※「予定」と付いているふきだしは、この仕組みが立てた計画のとおりに進んだ場合の見こみです。研究の提出までに、その日の本当のひとことに書きかえます。
実際の運用画面は 保護者限定です
ここまでが、この仕組みの考え方と設計です。実際に毎日使っている画面(今日のノルマ・進み具合・すごろくの盤・日記や観察の記録・AIのまるつけ結果)には、本人の書いたものや進み具合といった個人の記録が入っています。そのため、このページには載せず、ID・パスワードで保護した別のアドレスに置いています。
運用画面をひらく(保護者用)/2026summer/先生への提出用
紙の宿題(実物)と、この自由研究のQRコードを提出します。
このページには、顔写真・進み具合の実数・日記の中身など、こまかい個人の記録は載せていません。検索サイトにも登録されない設定にしています。